結論から言うと、Zoomの録画を無料で文字起こしする道は「ローカル(コンピュータ)に録画して、その音声ファイルを外部の文字起こしツールに渡す」の一本だけです。Zoom自身のオーディオ文字起こしとAI要約は、公式ヘルプの前提条件に有料アカウントが条件として書かれているためです。無料でやるなら、Zoomは「録るだけの機械」として使うことになります。
Zoomの機能でどこまで無料か
2026年8月19日に Zoom 公式のサポート記事で確認した、録画と文字起こしまわりの条件です。
| Zoomの機能 | 無料(ベーシック)での可否 | 公式が挙げている条件 | できあがるもの |
|---|---|---|---|
| コンピュータ(ローカル)録画 | ○ | 「すべてのZoomアカウント」で利用できると記載 | MP4(動画)・M4A(音声)・チャットのテキスト |
| クラウド録画 | × | 「有料アカウント」で利用できると記載 | クラウド上に保存され、閲覧・共有・ダウンロードができる |
| クラウド録画のオーディオ文字起こし | × | Pro・Business・Education・Enterprise のいずれかのアカウント+クラウド録画とオーディオ文字起こしの有効化 | 文字起こし(対応言語に日本語が挙がっている) |
| AI Companion のミーティング要約 | × | Zoom Workplace Pro / Pro Plus / Business / Business Plus / Enterprise などのライセンスユーザー | 会議の要約 |
表の下2行が重要です。Zoomのオーディオ文字起こしは「クラウド録画に付随する機能」として設計されていて、公式の前提条件はクラウド録画が有効になっていることを求めています。そしてクラウド録画そのものが有料アカウント向けと明記されています。無料プランはこの入り口で止まります。
AI Companion のミーティング要約も同じで、前提条件に並んでいるのは Pro 以上のプラン名だけです。ベーシック(無料)の記載はありません。
一方で、ローカル録画は「すべてのZoomアカウント」と書かれていて、無料プランでも使えます。しかも出力は MP4 の動画だけでなく M4A の音声ファイルも作られます。この M4A が、外部ツールに渡すときの素材になります。
無料でやる手順は2ステップしかない
- Zoomの会議中に「レコーディング」→「このコンピューターに記録」を選ぶ。会議終了後に自動で変換され、MP4 と M4A が保存される
- その M4A(音声) を文字起こしツールにアップロードする
動画(MP4)ではなく音声(M4A)を上げるのがコツです。ファイルが軽く、アップロードで待たされにくくなります。
なお、参加者としてローカル録画するにはホストの許可が必要です。
実際に詰まるのは「月◯分」ではなく「1回◯分」
ここからが、無料で済ませたい人が一番つまずくところです。無料の文字起こしツールを比べるとき、多くの人は「月に何分まで無料か」を見ます。しかし先に効いてくるのは「1回のアップロードで何分まで通るか」のほうです。
Zoomの無料プランは1回のミーティングが最大40分と公式の料金ページに書かれています。裏を返すと、無料プランで録れる録画は1本あたり最大40分の塊になります。この40分の塊を、そのまま受け取れるツールかどうかで結果が変わります。
代表的な無料枠を、公式の記載で確認した範囲だけ並べるとこうなります。
- Notta フリープラン:文字起こし120分/月、1回につき3分まで、ファイルインポート50個/月、AI要約10回/月、クレジットカードの登録不要
- LINE WORKS AiNote フリープラン:0円、文字起こし300分/月、1回当たり60分まで、データ保管期間1年。ただし公式の料金解説ページには「AIによる要約機能やWeb会議録音機能は利用不可」と文言で書かれています
Notta の「1回3分」は、40分の録画を1本まるごと通す用途とは噛み合いません。月120分の枠が残っていても、1ファイルが3分で切られます。この制限の詳しい内訳はNotta無料プランの制限はどこまで?月120分より先に「1回3分」で詰まるにまとめました。
一方 AiNote のフリーは、1回当たり60分までと公式の個人向け料金ページに数字で書かれています。Zoomの無料プランで録れる録画は最大でも40分なので、この60分の枠にはそのまま収まります。 無料同士の組み合わせとしては、ここが一番素直に噛み合う経路です。
代わりに、AI要約は使えません。文字が起きればよく、要約は自分で書くという人向けの選択になります。なお同じ比較表でも、AI要約とWeb会議録音の欄はアイコン表示だけで文言がありません。上の「利用不可」は表のアイコンではなく、公式の料金解説ページに文章として書かれている記述を根拠にしています。
無料枠を横並びで見たい場合はAI文字起こし無料比較|定番が終了した今、無料で残っているのは4つ、旧CLOVA Noteからの乗り換えならCLOVA Note終了の代わりは?無料で使える乗り換え先を比較が対応します。
選び方の判断軸は3つ
1. 40分の録画を「1本のまま」通したいか
1本まるごと通したいなら、1回あたりの上限が長いツールを選ぶしかありません。逆に要点だけ拾えればいいなら、必要な場面を数分ずつ切り出して上げる運用でも成立します。音声を分割する手間を許容できるかが分かれ目です。
2. 文字が起きればいいのか、要約まで欲しいのか
議事録として配るなら、文字起こしの生テキストは長すぎて読まれません。要約まで無料でやりたいなら、AI要約が無料枠に含まれているかを先に見るべきです。この点では Notta のフリープランに AI要約10回/月が明記されており、無料のまま要約まで試せます。
3. 毎回アップロードするのか、会議に同席させるのか
Notta の料金ページのフリー欄には、ミーティングの文字起こし(Zoom・Google Meet・Microsoft Teams・Webex・Slack対応)と話者識別が項目として載っています。つまり録画してからアップロードする以外に、会議へ同席させる使い方も無料枠の中にあります。同席させれば、そもそもローカル録画とアップロードの往復が要らなくなります。
ただし前述の「1回3分」は同席時も残るため、長時間の会議を無料のまま丸ごと自動議事録にする使い方にはなりません。短い定例で日本語の精度を見てから有料を検討する、という順番が現実的です。
正直なデメリット
Zoomを有料にする場合:オーディオ文字起こしは有料アカウント+クラウド録画が前提です。文字起こしだけが目的なら、外部ツールを1つ契約したほうが安く済む可能性があります。金額は改定されるため、公式の料金ページで確認してから比べてください。
Notta フリープラン:1回3分の制限が想像以上に強く効きます。長い音源を通す前提では組み立てられません。
AiNote フリープラン:AI要約とWeb会議録音が利用不可と公式に書かれています。要約や会議への自動同席が目的なら、無料の範囲では目的を満たせません。
ローカル録画そのもの:PCのストレージを消費し、会議終了後の変換にも時間がかかります。また音が悪いと、どのツールを使っても文字起こしの精度は上がりません。入力側の対策はWeb会議のマイクおすすめ|聞き取りやすさで選ぶにまとめています。
よくある質問
Q. Zoomの無料プランでも録画自体はできますか?
できます。公式には、コンピュータへのレコーディングは「すべてのZoomアカウント」で利用できると書かれています。保存先が自分のPCになるだけで、録画そのものは無料プランでも可能です。
Q. Zoomの文字起こしは日本語に対応していますか?
クラウド録画のオーディオ文字起こしの対応言語一覧に日本語が挙がっています。ただしこの機能を使うには、前述のとおり Pro・Business・Education・Enterprise のいずれかのアカウントが必要と前提条件に書かれています。
Q. 40分を超える会議を無料で文字起こしするには?
Zoomの無料プランは1回40分で切れるため、40分を超える会議はそもそも無料プランでは続けられません。会議を分割して録るか、Zoom側かツール側のどちらかを有料にするかの選択になります。「全部無料で長時間」を成立させる組み合わせは、2026年8月時点では見つけられませんでした。
まとめ
- Zoomのオーディオ文字起こしとAI Companionのミーティング要約は、公式の前提条件に有料アカウント(Pro以上)が挙げられている。無料プランはこの条件を満たさない
- 一方でローカル録画は「すべてのZoomアカウント」で利用でき、MP4に加えて M4Aの音声ファイルが残る。これを外部ツールに渡すのが無料で完結させる唯一の道
- ツール選びで先に効くのは月間の合計時間ではなく 1回あたりの上限。40分の録画を1本のまま通したいなら AiNote のフリープラン(0円・300分/月・1回60分まで/ただしAI要約は利用不可)、要約まで無料で試したいなら Notta のフリープラン(120分/月・1回3分・AI要約10回/月)