結論から言うと、録音済みファイルを上げるときに先に詰まるのは「月に何分まで」ではなく「1ファイルで何分まで」のほうです。Nottaのフリープランはファイルのアップロード自体はできますが、公式の上限は1回3分。60分の会議ファイルはこの時点で通りません。逆に、長いファイルを丸ごと通したいなら、無料で完結する道は今のところ限られていて、どこかで有料に切り替えるか、手元のファイルを分割するかの二択になります。
無料枠で先に当たるのは「1回あたり」の壁
2026年9月22日に各社の公式ページ・公式ヘルプで確認した内容です。
| 無料のままファイルを上げられるか | 1回(1ファイル)の上限 | 形式・容量の上限 | |
|---|---|---|---|
| Notta フリー | 上げられる(インポートは全プラン対象・月50個) | 3分まで | 音声は1GBまたは5時間の小さいほう |
| Notta 有料 | 上げられる | 5時間まで | 同上(話者識別時は3時間) |
| Word の文字起こし | Microsoft 365 サブスクが要る | 公式の記載なし | .wav/.mp4/.m4a/.mp3・月300分まで |
| LINE WORKS AiNote | フリープランあり(30人まで) | 公式の表に明記がなく確認できなかった | ブラウザ版は最大300MB |
Nottaのヘルプは、この「1回あたり」の壁をはっきり書いています。
たとえば、月間の文字起こし時間が120分以内であっても、1回で3分を超える連続録音を行う場合は、フリーの上限(3分/回)を超えるため、録音全体の文字起こし結果を確認することができません。
月の合計は120分残っているのに、60分のファイルは1本も通らない。ここを知らずに「無料で月2時間使える」とだけ覚えていると、実際にアップロードした日に手が止まります。この構造はNotta無料プランの制限はどこまで?月120分より先に「1回3分」で詰まるで細かく整理しています。
なお、Wordの文字起こしは「無料でできる」と紹介されることがありますが、Microsoftのサポートページの記載はこうです。
Microsoft 365 サブスクリプションを持つユーザーは、アップロードされた音声を 1 か月あたり最大 300 分までトランスクリプトを作成できます。
主語が「Microsoft 365 サブスクリプションを持つユーザー」です。すでに会社でMicrosoft 365を契約しているなら追加費用なしで使えますが、契約していない人にとっては無料の選択肢ではありません。加えて「トランスクリプトは、新しい Microsoft Edge と Chrome でのみ機能します」とも書かれています。Safariで開いてボタンが見当たらない場合は、ブラウザを変えると解決することがあります。
判断軸は3つ
1. 手元のファイルは何分か
3分を境に選択肢が変わります。3分以内の短い音声(電話メモ、ボイスメモ、数分のインタビュー断片)なら、Nottaのフリープランで月50ファイルまで処理できます。月120分・AI要約は月10回までという枠もあるので、短い音声をたくさん、という使い方とは相性がいいです。
問題は1時間の会議録音です。無料で通すには手元で3分ずつに切る必要があり、20本に分けて上げると、当然ながら話の流れは分断されます。時間を金で買うか、手間で払うかという話になります。 ここを割り切れるかどうかが最初の分岐点です。
2. 形式と容量が上限に収まるか
意外に見落とされるのがここです。Nottaの対応形式は公式ヘルプに列挙されていて、音声はwav、mp3、m4a、caf、aiff、wma、mda、動画はavi、rmvb、flv、mp4、mov、wmv、webm、3gp、mtsなど。サイズ上限は「1GBまたは5時間のいずれか小さい方」(動画は10GBまたは5時間)で、話者を識別する場合は最大3時間と別枠になります。
AiNoteはブラウザ版のヘルプに「音声ファイルは.m4a、.mp3、.aac、.wavの拡張子のみアップロードでき、音声ファイルのサイズは最大300MBまでです」と書かれています。300MBは、非圧縮のwavで長時間録っていると案外すぐ届く数字です。ICレコーダーの設定を見直すだけで回避できることも多いので、録る前の設定は会議録音のICレコーダーおすすめ|文字起こし前提なら見る仕様は3つも参考にしてください。
3. その音声を外に出していい内容か
無料プランを選ぶときに一番見落とされる軸です。LINE WORKS AiNoteの製品ページは、文字起こしした内容をAIの学習データとして利用しないという説明に「(有償プランのみ)」という注記を付けています。同じサービスでも、無料と有料で扱いが違うことがある。 顧客名や未公開の数字が入った音声を上げる前に、その1行を読むかどうかで判断が変わります。
正直な短所
- Nottaのフリープランは、長い会議には実質使えません。 1回3分は「試す枠」と考えるのが正確です。有料プランは公式の料金ページで、プレミアムの年間プランが月あたり¥1,185円(12ヶ月分一括払い)、ビジネスが月あたり¥2,508円(同)と表示されています。年払い前提の表示なので、月払いと比べるならNotta料金は年間プランと月払いどっち?分岐点は7.2ヶ月を先に読んでおくと判断が早いです。
- AiNoteのフリープランは、個人が思いつきで使い始めるには準備が要ります。 公式ヘルプによると個人でも利用できますが、LINE WORKSプラットフォームの開設が必要で、フリープランは最大30人まで。既存のLINE WORKSで31名以上使っている場合はそもそも追加できません。さらに「共有文字起こし時間(利用時間)の追加はできません。翌月まで待つか、有料プランに切り替えることを検討してください」と書かれていて、足りなくなった月に買い足す逃げ道がありません。
- Wordの文字起こしは、契約していない人には無料の選択肢になりません。 対応ブラウザもEdgeとChromeに限定されています。
よくある質問
Q. 1時間の録音を、無料で丸ごと文字起こしする方法はありますか?
今回確認した範囲では、1本のファイルをそのまま無料で通す方法は見つかりませんでした。Nottaのフリーは1回3分、Wordの300分はMicrosoft 365の契約が前提です。分割してアップロードする、すでに持っている契約(Microsoft 365など)を使う、有料プランに切り替える、のいずれかになります。他の無料ツールも含めた全体像はAI文字起こし無料比較|定番が終了した今、無料で残っているのは4つにまとめています。
Q. 動画ファイル(mp4)でもアップロードできますか?
Nottaは公式ヘルプで動画形式にも対応していると明記していて、上限は10GBまたは5時間のいずれか小さいほうです。Wordのサポートページも対応形式に .mp4 を挙げています。AiNoteのブラウザ版ヘルプに挙がっているのは音声形式のみでした。
Q. アップロードしたファイルは、あとから話者ごとに分けられますか?
Nottaは話者識別に対応していますが、その場合の上限が「最大3時間」と別に定められています。精度の実際についてはNotta 話者分離ができない・精度で触れています。
まとめ
- 無料枠で先に詰まるのは月の合計時間ではなく、1ファイルの長さ。Nottaのフリーは1回3分と公式に明記されている
- 形式とサイズの上限は各社で違う。Nottaは音声1GB/5時間、AiNoteのブラウザ版は300MB、Wordは.wav/.mp4/.m4a/.mp3
- 「無料」と紹介されるWordの文字起こしは、Microsoft 365サブスクリプションが前提。手持ちの契約があるかどうかで意味が変わる