実際に触って比べた記録

イルシルをパワーポイントに変換できる?出力の条件と崩れる箇所

2026-09-03 公開

この記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。無料プランで実際に試した範囲の内容で、報酬額で順位を変えることはしていません。

結論から言うと、イルシルのスライドはPowerPoint(PPTX)に変換できます。ただし条件が2つあります。書き出せるのはパーソナルプラン以上(月1,848円・税込)で、フリープランでは出力まで進めません。そしてもう1つ、変換する前に専用フォントを自分のPCに入れておかないと、開いたときの見た目が画面と変わります。無料のまま書き出しを試したいなら、別のツールを見たほうが早いです。

変換はできる。ただし出力の検証はお金を払ってからになる

イルシルの公式ヘルプ「PPTX形式で出力したファイルでイルシル上のフォントを利用する方法」には、注意点の1行目にこう書かれています。

PPTX形式での出力は、パーソナルプラン以上でご利用可能です。

2026年9月2日公開の公式コラムにも「なお、PDFとPPTXの書き出しは有料プランの機能です。フリープランでは書き出しまで進めません」とあります。変換できるかどうかで迷う必要はなく、迷うのは「どのプランで契約するか」のほうです。イルシルの登録自体は無料なので、下地の出来はフリーのまま確かめられます。

ここに1つ、ねじれがあります。同じ公式のコラム(2026年8月27日)は、ツール選びのチェックポイントとしてこう書いています。

お試し利用の段階で実際に1本PPTXファイルを出力し、PowerPointで文字や数値を直接打ち直してみることをおすすめします。

正しい助言ですが、イルシルのフリープランではこれができません。出力したPPTXが自分の環境で使えるかは、課金した後にしか確かめられない順番になります。だからこそ、契約したら真っ先に、本番に近い資料を1本書き出してPowerPointで開いてください。

プランごとの条件を、出力の観点で並べる

2026年9月3日時点の公式ヘルプ「プランごとの料金・機能」の記載です。金額はすべて税込・1人あたりで、公式の表記のまま載せています。

プラン料金(税込)PPTX/PDF出力おまかせ生成の入力文字数作成できる資料数向いている人
フリー0円×(表の記載)10,000文字3個まで生成の質だけ確かめたい人
パーソナル月1,848円/半年9,900円(10%OFF)/年間17,160円(20%OFF)PDF,PowerPoint10,000文字無制限PowerPointで仕上げる人
パーソナルPlus66,000円(年間契約のみ)PDF,PowerPoint50,000文字無制限長い原稿をそのまま渡す人
法人お問い合わせPDF,PowerPoint50,000文字無制限自社テンプレートを使いたい人

表で2つ補足します。1つ目、半年契約と年間契約の割引はヘルプサイトの料金表にだけ載っていて、同日の公式トップのプラン表には月額1,848円しか出ていません。年払いにする気があるなら、ヘルプサイトの料金表を見てから申し込むほうが安く済みます。

2つ目、入力文字数です。以前この欄は「構成生成時の入力可能文字数 1,600文字」でしたが、現在のヘルプでは「おまかせ生成で入力可能な文字数」がフリーでも10,000文字になっています(→イルシル無料プランでできることに経緯を追記しました)。長い原稿を投げられるかは、もう無料と有料の分かれ目ではありません。分かれ目は出力だけです。

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変換の前に、フォントを入れておく

ここを飛ばすと、書き出したPPTXを開いた瞬間に「思っていたのと違う」となります。書き出しメニューには「フォントのインストールはお済みですか?」という確認が出ますが、公式ヘルプの注意書きはもっと直接的です。

本設定がお済みでない場合、フォントが適用されない場合や一部表示が文字化けする場合があります。

配布されているのは irusiru_font_package.zip という1つのzipで、Windowsはfontsフォルダ内を全選択して右クリックからインストール、MacはFont Bookの「フォントを現在のユーザに追加…」から追加します。「1度設定いただいた場合、2回目以降の設定は不要です」とあるので、作業は最初の1回だけです。

困るのは見た目だけではありません。公式コラムには「イルシルは、画面で見えている折り返しの位置をそのまま保って書き出します」とあります。フォントの幅が変われば行の折り返しも変わるので、文字数の多いスライドほど影響が出ます。

イルシルの画面で「OSフォント」を選んでいる場合はもう1つ注意が要ります。ヘルプによれば、端末にインストールされていないOSフォントを選ぶと、スライド反映時にデフォルトのフォントへ置き換わります。フォントパッケージにOSフォントは含まれていません。

公式が「出力されないことがある」と挙げているもの

イルシルのヘルプには、PPTX出力で問題が起きうるアイテムが名指しで列挙されています。原文の見出しごとに引用します。

【出力・反映されない可能性があるもの】

【出力時にスタイルが大きく崩れる可能性があるもの】

【16:9ではない場合、枠内に収まるよう変形されるもの】

さらに「上記以外にも、pptxの仕様変更などによって、適切に出力されないアイテムが存在する可能性があります」と続きます。

一方で、2026年9月2日の公式コラムには「本文のテキストや表、グラフは、それぞれPowerPointのテキスト・表・グラフとして入っています」と書かれています。表とグラフについて、ヘルプとコラムで説明が一致していません。どちらが現在の挙動かは外から判断できないため、この記事では断定しません。表やグラフを含む資料をPPTXにするなら、契約したその日に1本出力して自分の目で確かめてください。

矢印も同じです。コラムは「背景や、図と図をつないでいる矢印は画像として書き出されます」と書き、ヘルプは矢印機能で作った矢印を「出力・反映されない可能性があるもの」に入れています。画像になるのか消えるのかで対応は変わりますが、いずれにせよPowerPoint側で細かく動かす前提の図解には向きません。

判断軸は3つ

1. 最後にどのアプリで仕上げるか

公式コラムは、最終調整をPowerPointで行う運用(パターンA)と、ツール内で作って共有まで完結させる運用(パターンB)に分けています。Aなら「出力したPPTXが崩れず編集できるか」が最重要で、上の列挙がそのまま確認項目になります。Bなら書き出しが要らないので、フリープランのままでも成立します。

2. 作る資料に、表・グラフ・矢印がどれだけあるか

文章と見出しが中心の資料なら、コラムの言うとおり「テキストやオブジェクトが独立している」状態で出てきます。逆に、数表と図解が主役の資料は、ヘルプが名指ししている項目に真正面からぶつかります。提案資料を作るのが遅い原因を6工程で切り分けるで書いた「出力」の工程そのもので、生成力ではなく受け渡しの形式で詰まる典型です。

3. 無料のまま書き出しまで試したいか

課金前にPPTXの出来を見たいなら、別のツールで確かめる手もあります。Gammaの料金ページには、2026年9月3日時点で無料のFreeプランの内容として「PDF、PPTX、PNG、Googleスライドにエクスポート」と書かれています。無料の範囲でPPTXを1本出して感触をつかむなら、こちらのほうが手順は短いです。日本語のデザインまで含めた比較はAIスライドを自動作成する4つを比較にまとめてあります。

正直な短所

よくある質問

フリープランのままPowerPointに変換できますか

できません。公式ヘルプに「PPTX形式での出力は、パーソナルプラン以上でご利用可能です」と明記されており、コラムにも「フリープランでは書き出しまで進めません」とあります。ヘルプのプラン比較表でも、フリーの「外部データ出力」欄は「×」です。無料で確かめられるのは、生成されたスライドの中身とデザインまでです。

出力したPPTXは、PowerPointで文字を直せますか

公式コラムには「出力されたPPTXファイルはテキストやオブジェクトが独立しているため、PowerPoint上で普段通りに文字修正やスライドの差し替えが可能です」と書かれています。ただし折り返しの位置は画面の状態を保って書き出されるため、文章を足しても自動では折り返らないことがあります。文言を大きく変えるなら、テキストボックスの幅か改行を自分で調整することになります。

PPTXを開くと1枚目が白紙になります

公式ヘルプに同じ質問があり、「背景設定に事象の発生要因がある可能性がございます」として、1枚目で編集エリアを右クリックし「背景を修正する」>「もとに戻す」で背景化を解除、画像のサイズを整えてから出力し直す手順が案内されています。

まとめ